制御工学入門No.1

制御工学

制御とは

制御とは、システムを操作することを言います。

例えば、ロボットを制御する。車を制御する。電車を制御する。などです。

また、日本工業規格(JIS:JIS Z8116)では、制御とは「ある目的に適合するように、対象となっているものにものに所要の操作を加えること」と定められています。

制御工学と微分方程式

制御工学と微分方程式の関係について、考えてみます。

例えば、出来立てのコーヒーが冷めていく様子を考えてみます。

温かいコーヒーが何も手を加えずに、放置していると自然と冷めてくることは、容易に想像できるでしょう。

しかし、私おかいは、数式で理解したい。

ニュートン大先生のニュートンの冷却法則によれば、「媒質中の固体から媒質に熱が伝わる速度は、固体の表面積及び固体と媒質の温度差に比例する。」とあるので、まずは数式で表しましょう。

$\frac{df(t)}{dt} = -k (f(t) – T_s)$

f(t): 熱量, k: 熱伝達率, S: 表面積, f(t): コーヒーの温度, $T_s$: 気温(一定)

それでは、この微分方程式を解いてみます。

まずは両辺を$f(t) – T_s$で割ります。

$\frac{\frac{df(t)}{dt}}{f(t) – T_s} = -k$

以下のように変形します。

$\int \frac{1}{f(t) – T_s}df(t)=\int-kdt$

これを解いて

$\log (f(t) – T_s) = -kt + C$

Cは積分定数。f(t)について解くと、

$f(t) = e^{-kt + C} + T_s$

$f(t) = C’e^{-kt} + T_s$

また$f(0) = T_0$とすると、$C’ = T_0-T_s$となる。改めて

$f(t) = (T_0 – T_s)e^{-kt} + T_s$

確認: t->∞で、f(t)=T_sとなる。すなわち、気温と同じ温度になる。ということが分かります。

では、制御とどのように関係があるのでしょうか。

数式を見る限り、自然に影響していて、制御自体はできていません。そこで、外部から温度を制御するという意味でT(t)を加えると

$f(t) = (T_0 – T_s)e^{-kt} + T_s + bT(t)$

bは比例定数とします。

t->∞の時、$f(t)=T_s + bT(t)$となるので、最終温度はT(t)に影響を受けるようになります。

これが制御工学です。

例えば、

$T_0 = 100$, $T_s = 25$, $k = 0.1$, $b=1$, $T(t) = \log 2t$の時

このように制御することができるのです。

用語

制御したい対象(上で言うとコーヒー)を制御対象と呼ぶ。

制御対象となるものには必ず制御したい出力(上で言うコーヒーの温度であり、一般的にはこれを「制御量」と呼ぶ)と外部からの入力(操作量)がなければならない。

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