歯車について

歯車(はぐるま、英: gear)とは、伝動車の周囲に歯形を付けて確実な動力伝達を可能にした機械要素である[1]。英語では「gear」で、日本語ではギア、ギアーと表記されることもあるが、JISでの表記はギヤである。減速や増速、回転軸の向きや回転方向を変えたり、動力の分割などに用いる。
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歯車の歯先の形状は、「インボリュート歯車」と「サイクロイド歯車」に分けられ本記事では、インボリュート歯車について説明する。
インボリュート曲線について

インボリュート曲線(インボリュートきょくせん)は、その法線が常に一つの定円に接するような平面曲線である。円の伸開線 (involute of circle) あるいは反クロソイド (anti-clothoid) とも呼ばれる。固定されて回転しない円形のリールに巻き取られた糸を弛まないように引き、ほどいていくと、糸の端点はインボリュート曲線を描く。
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また、数式を以下に記す。
$$ x = a(\cosθ + θ\sinθ) $$
$$ y = a(\sinθ - θ\cosθ) $$
インボリュート曲線を作図
1. 任意の直径で円を描きます

2. 円を六等分します

3. 円に接線を引き、その隣の等分線を延長し、接線との交点を作成します。

4. 次に、先ほど作成した交点から円の接線方向に円の半径の三倍の長さの線を描きます
- 円の半径の1倍

- 円の半径の2倍

- 円の半径の3倍

5. 4.で描いた線の先端との交点ができるように以下のように直線を引きます。

6. 5.で描いた線を六等分します。
しかし、六等分することが難しい場合があります。その場合以下のように描いていきます。
まず、以下のように接線を引きます。(長さは等分しやすい長さ ex:)3(cm), 6(cm)など)

上で引いた接線を六等分します。

以下のように直線を描きます。

今書いた直線に対し平行な線で以下のように描いていきます。

7. 六等分ができたので、以下のように接線方向に1/6, 2/6, 3/6, 4/6, 5/6, 6/6倍の線を書いていきます。

8. 最後に1/6倍の線を引いた円との交点から1/6倍の半径の円弧を描き、2/6倍の線を引いた円との交点から2/6倍の半径の円弧を描き.....6/6倍の線を引いた円との交点から6/6倍の半径の円弧を描くとインボリュート曲線が描けます。

歯車の設計
歯車と作るための必須条件
- m: モジュール(歯のサイズ)
- z: 歯の数
- α: 圧力角
モジュール
歯の大きさをミリメートル単位で表したもの/基準ピッチを円周率πで割った値
$$ m = \frac{p}{π} $$
歯の数
歯車の歯の数のことを言います。
また、設計において、隣り合う歯車の歯数は互いに素になる必要があります。理由は摩耗が一部に偏って壊れるのが早くなりやすいということです。
圧力角
歯が基準線の法線に対して傾いている角度のこと
4つの円
- 歯先円直径:歯の先端を結んだ円の直径
- 基準円直径:他の3つの円の基準となる円の直径
- 基礎円直径:インボリュート曲線を描く時の円柱の直径
- 歯底円直径:歯の根本を結んだ円の直径
基準円直径
$$基準円をd_pとすると以下のように表せられる$$
$$d_p = zm$$
歯先円直径
$$基歯先円直径をd_kとすると以下のように表せられる$$
$$d_k = d_p + 2m$$
基礎円直径
$$基礎円直径基をd_gとすると以下のように表せられる$$
$$d_g = mz\cosα$$
歯底円直径
$$歯底円直径をd_rとすると以下のように表せられる$$
$$d_r = d_p - 2.5m$$
歯車
以上の値を決めることで歯車が出来上がります。
インボリュート曲線は歯車の歯先の形状として使われます。

参考
おまけ
インボリュート曲線を描画するプログラムを以下に記す.
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
a = 1
t = np.linspace(0, 1.5*np.pi, 500)
x = a * (np.cos(t) + t * np.sin(t))
y = a * (np.sin(t) - t * np.cos(t))
plt.plot(x,y)
plt.show()
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